オーディンがルーンを学ぶ話、九夜のあとには?英訳エッダの言葉を追おう

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オーディンは知恵を求める神。でも、その知識は最初から全部そろっていたのかな?

『エッダ』の歌には、九夜、木に掛かった場面に続いて、オーディンがルーンを学び、さらに歌や言葉の知識を広げていく姿が語られます。ルーンは北ヨーロッパなどで使われた古い文字。この歌では、力を持つ文字や、その知識という文脈で現れます。

今回は、公開されている古い英訳の「Odin’s Rune-Song」を手がかりに、九夜の場面の先まで読んでみよう。物語の展開に触れます。

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「自分自身を、自分自身へ」という不思議な言葉

ベンジャミン・ソープ訳の公開英語本文では、この部分は140節から始まります。オーディンは、風に揺れる木で九夜を過ごし、自分をオーディンへ捧げたと語ります。そして、自分自身を自分自身へ、という意味の言葉が続きます。

捧げられる人と、捧げる相手が同じ。さらっと読むと通り過ぎそうなのに、立ち止まると不思議ですよね。

この英訳の本文は、木を、どの根から生えるのか誰も知らないものとして描きます。その描写も、まずはこの歌の言葉として受け取ってみてください。

九夜で終わらず、「学ぶ」がその先にも続く

次の141節では、食べ物も飲み物も与えられない状況から、ルーンを学び取り、そこから落ちるという流れになります。

続く142節では、九つの力ある歌を学ぶことと、貴重な蜜酒を得ることが語られます。蜜酒は、蜂蜜を原料にする酒です。ここで出てくる知識は、文字の形だけではないんですね。

143節になると、知ることが増え、言葉から言葉、事実から事実へと広がる様子が歌われます。そのあとには、文字を刻むこと、解き明かすことなどを知っているか、という問いも続きます。

ああ、九夜という強烈な場面のあとに、こんなふうに学ぶ言葉が続いていたんだ。

読書のメモにするなら、「九夜の場面」「ルーンを学ぶ」「歌と蜜酒」「知識が広がる」の四つだけ並べてみよう。これは、本文の順をたどるためのメモです。

デンマーク国立博物館の解説も、この歌をルーンの知識を得る話として紹介しています。一方、実際に見つかったルーンの刻文には日常的な内容が多いとも説明しています。詩の中の力ある文字の話と、出土した文字資料を行き来する楽しみ方もできますね。

日本語で読み広げるなら、版と目次を合わせよう

日本語の本を選ぶなら、谷口幸男訳、伊藤尽・小澤実監修の『【完全版】エッダ─古代北欧歌謡集─』があります。新潮社の公開目次では、第一部に「オーディンの箴言」が挙がっています。箴言は、教えや戒めを短く述べた言葉を指します。

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今回読んだ本文はソープの英訳で、この日本語版の該当箇所を実読した紹介ではありません。引用した英訳の節番号や言葉を、そのまま別の版のものとして探さないようにね。購入時は、2026年刊の完全版か、以前の版かも確かめてください。

九夜の場面を知っていた人も、その次の節から、もう少しだけ先へ。オーディンが何を得て、そのあと何を問いかけるかまで読むと、この歌の続きに目が向きますよ。

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この記事を書いた人

森の語り部のアバター 森の語り部 編集担当

北欧神話の神々、物語、世界観をたどりながら、気になったことを書き留めています。

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